【利府梨の摘心】梅雨に梨の枝を切ると果実が増える話【脱サラ農業】
こんにちは!たかゆき@トカイナカ暮らしです。
僕は昨年に新宿の大企業を辞め、宮城県利府町で梨作りを中心とした地域活性化の仕事をしています。
梨作りは知れば知るほど面白く、これといった趣味がない僕でも没頭してしまいます。
梅雨時期は、「摘心」といって枝を切ることにより梨の収穫量を増やす仕事があります。
枝を切ると梨の数が増えるなんて不思議ですよね?
今日はそんな「摘心」について実際の写真を見ながら楽しくお伝えします!
【目次】
●梨の枝を切るとなぜ果実が増えるのか?
●「摘心」すると果実に養分が運ばれる
●まとめ
●梨の枝を切るとなぜ果実が増えるのか?
梨の木は、木の勢い(樹勢)が強すぎると果実のもととなる花芽がつかなくなる性質があります。
つまり樹勢を弱めると梨がとれるわけです。
一般的には、長くて太い枝が多く発生している場合は樹勢が強く、短くて細い枝が多く新しい枝が発生していない場合は樹勢が弱いとされています。
僕が担当している梨園は樹勢が強いので、6月中旬~7月上旬にかけて「摘心」といって新梢を切り、樹勢を調整する作業をします。
樹勢が強いままだと梨作りではなく、盆栽になってしまいますからね。笑
では早速実際の「摘心」を写真を見ながらみていきましょう!
梨棚に結ばれている果実をとる枝(結果枝)から新梢が縦にビュンビュン生えていますね。
この勢いよく生えている新梢を花芽だけを残して切っていきます。
小さくて分かり難いかもしれませんが赤丸で囲った小さな白い粒が花芽です。
きちんと「摘心」することで、冬になるとぷっくり立派な花芽になります。
このように梨は、樹勢が強すぎても弱すぎても品質の良い果実がとれないので、常に木や土壌の状況を観察しながら「摘心」などの処置をして中庸にします。
サラリーマン時代は上司の顔色をみていましたが、今は梨の顔色をみて日々過ごしています。笑
人間に生まれた以上、色んなものに気を使って生きなければなりませんね。
我以外皆我師です。
●「摘心」すると果実に養分がおくられる
「摘心」をするもう一つの理由は、果実に養分を効果的に送る木作りをするためです。
効果的に養分を送る木作りは、一言でいうと「先端を強くする」ということです。
では、どうやって「摘心」によって先端を強くする木作りをするのかみていきましょう!
結果枝から縦に生えている新梢は、幹から1/3くらい「摘心」し、先端の枝は残します。
さらに先端が立つように紐で固定すると、光合成で枝が強くなります。
梨棚のスペースも空くので農薬散布もやりやすくなり一石二鳥です。
結果枝の先端の枝を勢いよく伸ばすことで、先端まで養分を引っ張り、その下にある果実に途中下車するような木作りをしていきます。
果樹は、上にむかって伸びる木の性質を利用して作られるわけです。
奥が深いでしょ。
控えめにいって、梨作りは最高に面白いので誰が一緒に利府梨作りませんか?笑
●まとめ
梅雨に「摘心」をすることにより、来年の果実となる花芽を増やすことができます。
また、不要な枝を「摘心」して 結果枝の先端を強くすると果実に効果的に養分が供給され、品質の良い梨ができます。
木作りを制するものが梨作りを制す。(参考文献:たかゆき名言集)
最近、梨農家が手を掛けた分だけ美味しい梨ができるといった意味が分かってきたような気がします。
せっかく梨作りに携わっているので、徹底的にこだわって労を惜しまず美味しい利府梨を作っていきたいと思います!
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んではまた!