元新宿サラリーマンのトカイナカ暮らし

長年勤めた大企業を辞め、田舎で梨作りをしながら豊かな人生を考えるブログ

梨の生葉を利用した紅茶「梨葉茶」を作った理由と簡単レシピ!【利府町の6次産業化の取り組み】

こんにちは!たかゆき@トカイナカ暮らしです。

 

僕は、今年の7月に大企業を辞め、新宿からトカイナカ利府町に移住し、町の名産品である利府梨の生産から、町自慢の商品を創るべく6次産業化まで携わっています。

 

利府梨の収穫もひと段落したところで、6次産業化の取り組みとして、梨の生葉を利用した紅茶「梨葉茶」を個人レベルで試験的に作ってみました。

 

 ということで、今回は「梨葉茶」を作った理由と簡単レシピをお伝えします!

 

【目次】 

●梨の生葉を利用した紅茶「梨葉茶」を作った理由

●「梨葉茶」の簡単レシピ

●「梨葉茶」を飲んでみた感想と今後の展望

まとめ

 

●梨の生葉を利用した紅茶「梨葉茶」を作った目的

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なぜ、梨の実ではなく、梨の生葉を利用した紅茶「梨葉茶」を作りはじめたかというと、梨の葉が「梨葉茶」として収益性をあげ、梨農家の助けとなり、地域の課題解決に寄与する可能性があるからです。

 

実際に、同じく梨で有名な鳥取県の事例で、梨農家の高齢化による二十世紀梨の衰退に歯止めをかけるべく、放棄された梨園の梨の葉をお茶にする新たなビジネスが推進されています。

ビジネス特集 二十世紀梨は21世紀にどうなる?! | NHKニュース

 

利府梨は、他の農作物に比べて単価が高く、直売所で販売されるため、利益率も良く、収益性のある作物です。

 

一方で、鳥取の梨農家と同様に、利府町の梨農家は減少している一番の理由は、いくら収益性が高いといっても一定の農地面積で、一定の生産数が無いと、梨の専業農家として生計を立てていくのは難しいからだと考えます。

 

この問題を解決するために、行政と連携して農地の団地化など、効率的に生産数を確保できれば良いのですが、いまいち即効性がないため、これまで価値がなかった梨の葉に、「梨葉茶」として価値を見出すことで、少ない農地でも収益性を向上させる算段です

 

まさしく、0円ビジネスといったところでしょうか。 

 

このトカイナカ利府町の地域課題解消の可能性を秘めた「梨葉茶」を早速、スモールスタートとして自宅で作ってみました。

 

●「梨葉茶」の簡単レシピ

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今回の「梨葉茶」は、紅茶の製造工程を参考に、生葉を摘むところから作りました。

 

紅茶の製造工程

  1. 萎凋(いちょう)“Withering”
  2. 揉捻(じゅうねん)“Rolling”
  3. 発酵“Fermentation”
  4. 乾燥“Firing”

紅茶の製造工程 荒茶工程|お茶ができるまで|お茶百科

簡単手作り紅茶!生の茶葉から手もみで紅茶をつくってみた!レシピ・作り方ご紹介 - d:matcha Kyoto magazine

 

1.萎凋(いちょう)“Withering”

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摘採した梨の生葉の約8割は、水分です。

 

次の揉む工程をやりやすくするため、日陰で1日干して水分量を6割から 7割程度に減らします。(水分量が多いまま次の工程に入ると煎茶になってしまうとの事です。)

 

2.揉捻(じゅうねん)“Rolling”

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生葉がしおれてきたところで、「揉み」の工程に入ります。

 

揉み込むことで、茶葉の細胞を破壊し、葉の中の酵素を含んだ成分を外部に絞り出します。それら成分が空気に触れると発酵しやすくなるため、しっかりと揉んで成分を外に出していきます。

 

揉んで揉んで揉みまくり、しっかり香りがでたら揉捻は、完了です。

 

3.発酵“Fermentation”

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揉捻した生葉は、Zipロックに入れて発酵させます。

 

先程、茶葉を揉んで傷つけたため、茶葉に含まれる酵素が活発に働くようになり、発酵が進んでいきます。

 

厳密には、室温25℃、湿度90%の部屋で発酵させますが、今回は、室内で3・4時間放置して発酵を進めます。(極端に熱いor寒い場所でなければ発酵は進むようです。)

 

 4.乾燥“Firing”

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仕上げに熱を加えて発酵を止めます。

 

酵素は主成分がタンパク質でできているため、熱を加えると変性して失活(発酵しなくなる)します。

 

茶葉が焦げないよう、5・6分鍋で煎り、紅茶色(黒褐色)になったら火を止めます。

乾燥させた茶葉は広げて放熱させて、完成です。

 

早速、お手製の「梨葉茶」を急須に入れて飲んでみましょう!

 

●「梨葉茶」を飲んでみた感想と今後の展望

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お手製の「梨葉茶」をもって、トカイナカ利府町の梨農家のご自宅で試飲会をしました。

 

試飲した皆様の評価は…

美味しいけど、普通の「ほうじ茶」のような味だね!との事でした。

 

梨の香りがのった紅茶を期待していましたが、まさか「ほうじ茶」になるとは。笑

前途多難ですが、まだまだ試作品の第一弾なので、発酵や乾燥の方法を変えるなど仮説・検証を繰り返して良いものをつくります。

 

また、梨の実や梨の葉と同じく廃材になる梨の皮などをブレンドして、鳥取県の2番煎じと言われないよう、トカイナカ利府町の独自の「梨葉茶」になるよう研鑽を重ねていきます

 

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ちなみに、今回「ほうじ茶」のような味わいになりましたが、梨農家の小さいお孫さん含めて、親子3代にわたり、美味しくごくごく飲んでいたので、お茶として、本レシピに間違いはないことを補足しておきます。笑

 

まとめ

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利府梨の生茶を利用した紅茶「梨葉茶」は、これまで価値のなかったものに価値を見出し、地域課題解消の可能性を秘めた取り組みです。

 

商品化するまで、「梨葉茶」に独自性のある味に改良すると共に、行政・大学・販売チャネルとなる企業との連携など、いくつものハードルがあるでしょう。

 

同じ6次作業化の取り組みとして、加工梨を活用した「梨カレー」の商品化も並行して進めていますが、利府梨の後世に残すという確固たる思いを胸に刻み、可能性があることは愚直に取り組んでいきたいと思います。

 

・追伸

繰り返しになりますが、今回作った「梨茶葉」のレシピは間違いないので、生葉を摘めば0円で作れる&ポリフェノールがあり健康に良いので、是非ご自宅でチャレンジしてみてください。(柿やビワ、桑の葉などの生葉でも作れます。)

  

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